昨日に引き続きマッターホルン登頂を目指す我等にガイドと共に登攀テスト・パート�Uです。
今日は、快晴でホテルからもマッターホルンの頭やブライトホルンも良く見えて朝焼けが綺麗でした。
集合時間に遅れないようにと慌しく出掛けると、もうすぐ乗り場に着くという時にカメラを忘れてきた事に気づきました。
取りに帰ろうかと思いましたが、遅刻すると申し訳ないと思い、諦めました。
乗り場に着いてみると田村さんは居ましたが、ガイドの姿は見当たりませんでした。
田村さんに挨拶すると「少し遅れると連絡があったのでユックリと腰掛けて待っていてください」と、言われました。
この時も、一瞬、取りに帰ろうかと思いましたが、またまた諦める事にしました。残念でした。
15分程遅れて漸くガイドのヘルムートが来ました。田村さんから紹介され、挨拶してゴンドラに乗り込みました。
ゴンドラには、別なパーティが乗っていましたが、我等3名も乗れそうだったのでヘルムートは乗り込んでいきました。
慌てて私と家内も乗り込みました。同席のパーティは、ガイドと現地のお客さんの様で、
同じハーフトラバースを辿る様でした。
二日前に訪れたクラインマッターホルンは、3年前に訪れた時のように快晴でした。
風も無くて快適な一日になりそうでした。
長いトンネルを抜けて展望の広がる処で準備をして出発していきました。
同じハーフトラバースを辿る年配ガイドとお客さんが先に出発して、ヘルムートと私達は、その後に続きました。
スキーコースから離れてブライトホルンへのトレースを辿り、途中から大きく右に分けるトレースに入っていきました。
広い雪原を少し下り気味に進むと左手にハーフトラバースの岩稜が屏風の様に覆い被さって来ます。
下りきった処でアイゼンを着けて、ストックを仕舞ってピッケルに変えるように指示されました。
ハーフトラバースへの取り付きには、大きく右側から回りこむようにして急な雪原を九十九折に登るようになります。
ポリュクス(?)への分岐になるコルに着いて、いよいよバリエーションの始まりです。
先行していた年配のガイドパーティは、途中から我等が先になりヘルムートのリードでどんどん進んで行きました。
ルートには要所と思われる場所にピンが打ち込められ確保するように整備されていました。
50センチほど岩を跨いで急な岩壁に取り付くところが有り、かなり上で確保している為に振られた時の事が心配で
緊張させられました。
高度感があり緊張の連続で疲れましたが、快晴の中で展望に恵まれ、暖かい陽気で快適にルートを辿れました。
年配ガイドパーティは、雪の少なくなった後半のルートでは、アイゼンを外していました。
我等は、ずっと着けたままで辿りました。
バリエーションのルートがもうすぐ終わるという場所で小休止して展望を楽しみました。
カメラを忘れたのがとても残念でした。これから辿るブライトホルンも綺麗な雪稜で、
今まで見た同じ山とは思えないような姿を見せてくれていました。
此方からは、ブライトホルンを辿らずに下るルートの分岐となるコルを過ぎて、
細いナイフリッジとなった雪稜を辿り緊張させられました。
山頂には、沢山の人で賑わっていて、登頂の喜びを味わっていました。360度の大パノラマが拡がっていて、
皆満足げな顔でした。
私達が日本人と判った人が、「写真好きの日本人が、何故、写真を撮らないんだ？」と、訊ねてきました。
ホテルに忘れてきたんだと説明すると「こんな日本人も居るんだ！」て、笑われてしまいました。
山頂からは、一般コースになっているコースを辿り、無事に朝準備をしたところに到着しました。
ガイドのヘルムートにお礼を言って、我等は、展望台に登ってからユックリと下山すると伝えました。
ヘルムートは、マッターホルンも大丈夫だ！明後日ヘルンリ小屋で待ってるよ！と言ってくれました。
長いトンネルの中から脇のトンネルに入り込んで展望台へのエレベーターに乗り込みます。
エレベーターを降りて階段を登って行きますが、疲れていて苦しくて大変でした。
やっとの事で展望台に着いて、展望を楽しみました。この時も写真が撮れずに残念に思いました。
お腹が空いてきたので一つ下のトロッケナーステグのレストランで腹ごしらえしました。
レストランも沢山の人が訪れていて賑わっていました。
マッターホルンは、雲が纏わりついて全容を見せていませんが、少し雪が残っているようです。
明後日位が良い状態で登れるものと思われました。
ツェルマットに着いてから、3日間山浸りだったので明後日のマッターホルンに備えて、
明日は休養日にしようと考えていました。
この時には、高度順化も出来ている事が実感でき、明後日を向かえる気力に、みなぎっていました。