53 2001.05.19 ★★ 奥武蔵・日和田山 305M・物見山 375M ★★
2001年5月19日(木) 晴れ後曇り


 この日は、図らずも3週連続となる山行になった。 と、いうのも5月の4日連休に南アルプスの甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳の一寸リッチなユッタリ山行を終えた後、予定外の槍ヶ岳山行が翌週に加わったからだ。
 ただし今日のルートは、延べ5時間程度のユックリしたものである。
 今回のメンバーは、毎週日曜日に練習している「インディアカ」仲間で、1年ほど前から初心者山行を共にするようになっている。
 そんなメンバーで「今年は北アルプスの白馬岳に登ろう!」と決まり、それに備えての訓練山行を重ねている。
 白馬岳には、私達夫婦も二人揃って参加予定であるが、今日の訓練山行には妻は居ない。仕事の調整が出来なかった。5月連休の休みが響いていた。
 私の場合は、土日の山行なら大概は調整できるので、此処のところ毎週山行になっている。
 実は、次の土日は奥秩父の甲武信岳の山行予定が1泊2日で決まっている。

 さて、本日のルートは以下の通りである。
 西武秩父線の高麗駅までは、電車でユックリとお喋りしながらだった。
 先ずは、高麗駅から日和田山を目指す。 約1時間の行程となる。 此処から次に約1時間要する物見山を目指し昼食予定。 12時30分には着く予定であった。
 昼食休憩後、帰りの乗車駅・東吾野駅までの行程は、北向地蔵(約50分)〜新田(約1時間)〜東吾野駅(約40分)の総行程5時間、休憩を入れて延べ6時間の行程であった。

 今回リーダーは、進兄ィである(実は何時もそうなのだが)。 私は、最後尾に付きサブリーダーを勝手出ている。
 メンバーは、進兄ィ・寿さん・好枝さん・好子さん・私の白馬組に「インディアカ」仲間のナベさん・藤さんの7人である。 私とナベさんを除く5人は、5月連休の1日を日帰りで訓練山行に出掛けた。 その時も進兄ィは、リーダーであったが、好子さんにアクシデントが発生してしまった。

 好子さんは、3月の金時山にも一緒に行き、山慣れた様子を皆に知らしめていた。そんな彼女がどうしたのか? 私には信じられないアクシデントであった。
 好子さんは、山慣れてはいるもののトレッキングシューズは持っていなかった。 家内はそんな彼女に一緒に石井スポーツに行ってシューズを選んであげた。 殆どは店の人のアドバイスによって選んだわけだが、本格的なシューズを購入した。 2万円以上もするスカルパであった。
 アクシデントのあったその日の事を詳しく聞くと、登りでは変わった様子はなかったらしいが、頂上で休憩中に靴が重いように感じると話していたようだ。 更に、下りで腰が痛くなったようで無理をして下り終えたとの事だった。 帰宅時の電車の中で、好枝さんの靴と比較して履き替えてみたりしながら「やっぱり重い」と、思ったそうだ。
 つまり、本格的な靴故に履き慣れるまでに時間が必要だった。 購入時、お店で色んな靴を履いた訳だが、最も足にしっくりくる靴だったらしい。 しかし、少々本格的な靴を購入しすぎたようだ。

 そんな訳で、今回の山行時には最後尾に私。その直前に好子さんを置いた。 その意図は、好子さんのペースでユックリと歩き、隊から遅れたとしても安心して歩けるように考えたからだ。 又、時にアドバイスを盛り込みながらの訓練山行にしようと言う事になった。

 さて、当日約束の時間に集合してみると、好子さんは普通のスニーカーを履いていた。 当分は、履く自信がないといっている。 とても残念である。
 とはいえ気を取り直して、出発点。 呉々もユックリ歩き始めよう!と、言っていたが思いの外、速いペースであった。 出発点の駅から20分程は、舗装された車道で一般道で有る為、速いペースでも支障は無いと思われるが、歩き始めはもっと慎重に有りたい。
 そして、道路からいよいよ登山道に入る。 入って直ぐに女坂と男坂の分岐になる。好枝さんは、積極的に男坂を選択して登っていく。 好子さんは多少不安の様子だったが、「ユックリと自分のペースで一歩一歩登っていけば良いんです!」と、言うと緊張が解けた様子で、ユックリとしたペースで登っていった。
 段差のある岩の急登が10分程続くと展望の良い場所があり小休止。 少し登って最初のピーク、日和田山山頂に着く。 皆、足取りは快調である。
 昼食休憩を予定している物見山までは、約1時間を要する。 間に高指山があり、その直ぐ先に売店・トイレのある休憩所がある。 最後の水場になる。 小休止。

 好子さんの歩き方で、注意すべき点があった。 勾配のきつい登り等で、爪先で蹴り上げるように踏ん張って登る事。 「もっと、足裏全体をベッタリと地面に付けて、踏ん張ると言うよりは、後ろ足を前に送る。 靴底の摩擦を信じて、力まずに後ろ足をユックリと送るだけ。 送った足は、同様にベッタリと地面に吸い付かせる。」長い距離を疲れずに歩く為には、必要な技術と説明した。
 それからは、少し気をつけて歩いているようだった。
 又、下りでも同様に靴底の摩擦を信じて、ユックリ小股で少しづつ足を送るようにアドバイスした。
 最後に「良い靴は、その機能を信じて使わなければ、結局は歩きづらいものになる。 信じて履いていると、段々とはき慣れてくる。」と。
 全員、体調を壊す事もなく、全体のペースも段々とユックリと進み、まずまずのペースであった。

 帰りの電車の中で進兄ィと簡単に反省会をした。 最初のペースが速かった事。休憩を取るにしても休みすぎないように。 休みを長く、多く取ると一見楽に見えるが、歩く時速いペースになりがちで直ぐにばてる事が有るなど。 ペース配分を考慮した方がよいのではとアドバイスした。

 同行した藤さんから「西さんにはもの足らないものだったでしょう?」と、問いかけられた。 何故、そんな事を聞くのかなと思いながら「今日は、初めから走行時間、山並みを把握して参加しているから、何ら過不足は感じていない!」と答えた。
 それよりも好子さんが、1日も早く折角買った靴を信頼し、履き慣れる事を祈った。 今日の山行が、その取っ掛かりの山行になってくれたらと心の底から念じていた。