45 2001.02.12 ★★ 金峰山(リベンジ雪山トライ) 2,599M ★★
2001年2月12日(月)


リベンジ! 雪の金峰山を目指す!
          2001年2月12日(月)振り替え休日

行程:朝3:15川越自宅発。4:00八王子IC着。

    双葉SAで小休止。須玉ICからR141へ。
    R141〜清里経由、川上村、川端下へ6:40着。
概要:早朝に登り口迄入り、金峰山登頂を目指す。一応、金峰山荘での緊急泊装備を持参し、日帰り雪山山行を計画。
実際:廻り目平キャンプ場入り口手前の川端下分岐で車止。

 先週より車が多い。川端下分岐では、2つのテントがあり男女数人のパーティが朝食を準備していた。
 朝食を済ませ7:30に出発する。先週苦労したルートは、3連休で入山者が有った様で、ちゃんと踏み跡が出来ていた。

 持参したワカンも使わずに、アイゼンも最初は付けずに済んだ。
 7:30 川端下分岐出発。
 8:00 廻り目平キャンプ場。
 8:15 キャンプ場終点。林道入り口。
 8:35 岩上りの岩。(9:05 林道崩落地)
 9:20 中の沢出合。(小休止 〜9:40、アイゼン装着)
10:25 中間点。(小休止。〜10:35)
11:40 金峰山小屋。(昼食。〜12:40。荷物置いて)
13:05 金峰山頂。(小休止。〜13:12)
13:33 金峰山小屋。(小休止。〜13:50、ストック1本に)
14:26 中間点上部絶景地。
14:58 中の沢出合。(小休止。〜15:12、アイゼン脱着)
15:21 林道崩落地。
15:42 岩上りの岩。
15:59 林道入り口(キャンプ場終点)(小休止。〜16:05)
16:14 廻り目平キャンプ場。
16:35 川端下分岐。無事到着。(片付け、16:51帰路へ)

・詳細:
【参考】
無雪期状況:2000年11月26日(日)快晴
@廻り目平キャンプ場〜A中の沢出合:上り53分程(結構
急いで歩く)、下り40分程度(比較的ユックリと)。
A〜B金峰山荘:上り1:15、下り
B〜C金峰山頂:上り20分程度、下り40分(千代ノ吹上経由)

積雪期無踏路:2000年2月4日(日)晴れ

@〜Aの中間点:岩上りの岩(気分的には1/3か?)上り(3:30程、歩きは急いだが・・)、下り(1時間、急ぐ)

積雪期状況:前回の行程所要時間

@〜A:上り1:20、下り55分程度。
A〜B:上り2時間程、下り1:10程。
B〜C:上り25分程度。下り20分程。
終始、急いだがB〜Cは結構厳しかった。強風で踏み跡が消される。

【実況】
@川端下までのアプローチ
川越から八王子ICまで、R16をひたすら南下する。
そんなロスを考慮しても、ほぼ1時間でICに着く。
八王子ICから須玉ICまでは、順調であった。
途中の双葉SAで給油と小休止。朝食・昼食のおにぎりを仕入れる。
須玉ICからは、R141を佐久方面に北上する。途中コンビニで頂上で飲むビールも忘れないように買い込む。今回は酒パックも。

清里を過ぎて、川上村への入り口を見逃さないように。
川上村へは、看板が国道沿いに出ているので、それを目印にする。
R141は、所々、雪が多い箇所があり、凍結注意の標識が目立つ。
2度目とはいえ暗い移動は、兎角気を遣う。肩が凝ってくる。
漸く、川上村への案内看板が有り、右折する。
R141より更に雪は多くなり、より慎重な運転を要求される。
川上村役場を通り過ぎ、秋山で金峰山の案内標識で右折する。
更に更に雪は深くなり、やがて進入できなくなる。川端下分岐だ。
慎重にUターンをして、バックで道路脇に駐車する。
本来の駐車場ではないが、今回は先客が居た。ワゴン車1台。

手前にも3台ほどの車が道路脇に駐車していた。
蕎麦処「岩根庵」の店先に駐車。店は雪に埋まっている。

店の直ぐ脇でテントが2張りがあった。ワゴンの人達だ。
7時前に到着し朝食にインスタントラーメンとおにぎりを頂く。
身支度し、7時30分には出発できるか。

Aいよいよチャレンジ!先ずは廻り目平キャンプ場へ。
さぁ、7時30分だ。いざ!出発!
先週より踏み跡はしっかりしている。ルートにはなっている。

思ったより楽に、約30分程で廻り目平キャンプ場に着く。
8:00 無雪期は精々20分ぐらいか?急いだとはいえ汗をかき、丁度良いウォーミングアップになった。
温度計は、−10℃程を示している。

B果たして「岩上りの岩」は、どの辺りに位置するか?
キャンプ場の終わる、一般車両通行禁止の場所も、深い雪だった。
8:15 踏み跡もハッキリしている。順調に進められる。

持参したワカンも出る幕は無い。初めて使った2本ストックが、使いづらい。
1本でも良いかも知れない。先週とは大違いの状況。


C今日は大丈夫!中の沢出合迄急ごう。
8:35 前にも後にも誰も居ない儘に「岩上りの岩」に着いた。

やはり此処は、無雪期約1時間の林道のほぼ1/3地点であろう。
先週、要した時間が約2時間。今回は、1時間少々。
これからも踏み跡はしっかりしている様子。多分、大丈夫だろう。
大きな岩を横目に先を急ぐことにする。
9:05 林道崩落地。思ったよりも雪がしっかりしていて、歩きやすかった。見上げてみて雪崩や落石を伺う。大丈夫!
9:20 中の沢出合。(小休止 〜9:40、アイゼン装着)
踏み跡がしっかりしていたため、案外楽に来られた。キャンプ場から1時間20分。急いだとはいえそんなに悪いタイムでは無いだろう。
一つテントがあった。ビバークしたものらしい。人の気配は無い。

頂上を目指しているのだろうか? 下山時要チェックか?
此処からは傾斜がきつくなるので、小休止の間にアイゼンを付ける。
ストックからピッケルに代える。さぁいよいよ雪山だ。
ふと行く先を見ると、沢が完全に雪に覆われている。水音もしない。
無雪期には丸太が5本ほど束ねた橋が架けてある。踏み跡をしっかり辿らなければ当てにならない場所だろう。慎重に進む。

Dやっぱり大変な雪山。

踏み跡はあるのだが、段々と細くなる。深くなる。傾斜はきつい。
やっぱり雪山は大変であった。先程までとは打って変わって汗だく。
10:25 中間点。(小休止。〜10:35)
やっとの思いで着いた。展望が開け、瑞牆山・八ヶ岳が見えた。
「此処まで来ればいいだろう」そんな気持がよく判る。
小休止の後、先を急ぐように進む。少し行くと無雪期は見えないと思われる展望が開けた箇所があった。此処からの方が瑞牆八ヶ岳が良い。
更に雪は深く、踏み跡が細くなる。何度か傾斜が緩むところがあるがなかなか金峰山小屋は現れない。
無雪期には林に隠れているのだろう、時々明るくなる場所で見上げてみた。
なかなか小屋も頂上も見えない。

ふと、前方に人影が見えた。「初めて人に会った!」
段々と近づいて、遂に追い越した。この人も一人らしい。
前方で人の声がする。「小屋も近いのか?」と、嬉しくなった。
4人のパーティが、降りてきた。
先頭に人が「上は天気良いよ。未だ大丈夫だ!」と、声を掛けてくれた。
(未だ大丈夫。?? どういう意味かな?)
苦しくて喘ぎながら登り、大分してからふと見上げると五丈岩が見えた。

その左手に金峰山頂上も見えた。手前に小屋の脇に建つ?大岩が見えた。
「小屋まで、まだまだだな。」疲れが相当溜まっていてめげそうになる。
何とか、気を持ち直して喘ぎながら進む。

Eやっと金峰山小屋に到着。
なかなか着かない小屋に相当気落ちしている。空腹の所為か?
「小屋に着いたらまず昼飯にしよう!」少し元気になった。
11:40 金峰山小屋。(昼食。〜12:40。荷物置いて)
入り口の雪は、綺麗に取り除かれて直ぐに入れるようになっていた。
入り口に温度計が有った。−13℃だ。室内・トイレはアイゼン使用不可。
明けて入ってみると、綺麗に掃除してあり聞いていたとおり開放されている。
「冬期利用料1000円」の札が壁にあった。多分、宿泊するときだろう?
自宅に電話してみる。繋がった。小屋にいることを告げると安心したようだ。
空腹を満たすためにインスタントラーメンを作る。
持参した水を出すと、
うっすらと凍っていた。
2リットルのペットボトルだが凄い。

コッヘルに注いだ水に氷が漂っている。
お湯を沸かして温かいラーメンを作る。

持参した酒パックを取り出し、ラーメンを食べながら一人乾杯する。
途中で追い越した人がやってきた。荷物を置くとサッサと出ていった。
先に頂上を目指したらしい。見れば若いお兄さんだった。
コンロの陽を小さくして暖めながら食べた。
カップヌードルでは出来ない芸当だ。

小屋の中も寒かった。ジッとしていると足も冷たく、手も痺れてきた。
お湯を沸かし湯気に指をかざして暖を摂った。少し指のしびれは収まった。

Fいよいよ頂上を目指す。遂に目的達成!
食事が済んで頂上を目指すことにする。少々時間が気になるが大丈夫だろう。
小屋を出ると雪の眩しさが目を眩ました。サングラスを取りに戻る。
無雪期20分の行程だが、踏み跡を辿りながら頂上を目指す。
陽は指すが、
北風が強く寒い。強く吹くと雪が舞う。顔に当たると刺す様に痛い。
先程暖めた指も酷く痺れていた。右手中指は先が感覚無い。相当寒い。
最も険しく感じながら、寒さの中喘ぎ喘ぎ頂上を目指した。
13:05 金峰山頂。(小休止。〜13:12)
やっと到着。風は強く寒い。でも展望は素晴らしかった。周囲の山をスナップする。
自宅への電話、労いの言葉と行程の安全を気遣ってくれた。
五丈岩に詣り、小屋に向かって下山する。北風が正面から吹き付ける。
寒いには寒いが、登りに比べ楽なので半ばルンルン気分で下山できた。

G第二の目的。無事下山。
小屋に置いた荷物を纏めて出来るだけ早く下山しなければならない。
13:33 金峰山小屋。(小休止。〜13:50、ストック1本に)
上りでピッケルを使ったが、下りではストックで構わないとの判断で準備した。
小屋には、若いお兄さんが食事していた。ラーメンだがカップだった。
「お先に」と声を掛けて出掛けた。「気を付けて」と返事が返ってきた。
下りはやっぱり楽である。
時々踏み出した足が、ズボッと雪に潜って入ってしまい、バランスを崩しヒヤッとすることも有ったが、概ね順調で楽に行けた。
登ってきたときに見た五丈岩・頂上の場所と、中間点直ぐ上部の瑞牆・八ヶ岳の場所では、スナップを撮った。ホントに良い眺めだった。

14:26 中間点上部絶景地。
此処から先は、林となりひたすら降りていくだけだ。
途中斜面でもし崩れたらと心配する箇所があったが、何とか大丈夫だった。
14:58 中の沢出合。(小休止。〜15:12、アイゼン脱着)
テントは無くなっていた。若いお兄さんでは無い。遅れて着いた。
小屋手前の上りの際4人で下山してきたパーティかな?テントは小さかったが?
何はともあれ撤去されていると言うことは、無事に持ち主が下山したと言うことで一安心である。
(もしかしたら、朝、中にいたのかも知れない)

此処から先は、アイゼンも要らない。ストックも1本の儘で良いだろう。
15:21 林道崩落地。
15:42 岩上りの岩。
やっぱり、林道部分中間点ではなく、1/3地点のようだ。先週の判断は妥当。
15:59 林道入り口(キャンプ場終点)(小休止。〜16:05)
16:14 廻り目平キャンプ場。
踏み跡が、キャンプ場の休憩所に一端登るようになっていて、直接林道に向かう踏み跡がないので、「俺が踏み跡を付けてやる!」と思って、直進した。
ほんの50m位のラッセルである。数歩進むと途端に「ハーハー、ゼイゼイ」と喘いでしまった。
「こんなにラッセルは厳しいんだ!」と正に実感した。

16:35 川端下分岐。無事到着。(片付け、16:51帰路へ)
岩根庵横のテント2つの人々は、クロカンスキーや岩登りに高じるパーティだった。
男女併せて8人程だ。やっと片付けに入った様子で私の方が先に出発した。

H課題の残る有意義な雪山山行。
輪カンジキ&ストックの携行(今回は結果的に使わなかった)
入山者の少ないルートは、積雪状態により必要になる。
今回、3連休の最終3日目でその間に何人かの方々が、踏み跡を付けてくれた。
先週我々も多少は貢献しているのだが、今回は助かった。
今回は、下山ルートにもなっていたのではないか? 増富温泉からの入山者?
頂上直下の金峰山小屋が冬期閉鎖時も一部開放している事も確認できた。
今回、非常時泊用に荷物を持参したが、1泊2日での計画が望ましいだろう。
尚、今回天気は良かったが、悪天候時は無理である。即中止すべし。
一人ではラッセルも限界有り。1時間300M。1日の活動範囲は狭い。
此は、よくよく実感できた。ホントに大変。
入山者数やルート状態が如何に大事か、影響が大きいかを実感できた。
ストックの潜り止めは、雪山・スキー用の幅広い物を使用すること。
夏用の小さい物やピッケルは、殆ど役に立たなかった。無いのは論外。
雪は表面が堅そうでも、靴の儘だと直ぐに潜ってしまう。

12本アイゼンを装着しても、潜り方は同じ。
今回練習も兼ねて中沢出合から先は、アイゼンを付けた。
しかし、
付けなくても登れたかも知れない。若いお兄さんは小屋までは付けて無かった。
小屋から先の頂上までは、上り下りともにアイゼンを吐いた方が安心できた。
軽アイゼンではどうかと思うが、結論は出ない。判らない。
堅い表面下の中の雪は、サラサラ雪だった。
此は、厳冬期、気温が低く、降雪から日が浅かったためと推察する。
踏み固めようとしても、サラサラで底なし沼のように落ち着かない。
金峰山は、例年なら頂上の雪は、風に吹き飛ばされて殆ど無い状態。
廻り目平も、精々10CM程度の積雪で、車も充分に進入出来るらしい。
キャンプ場終点の処から、中の沢出合迄の林道も、積雪は少ないらしい。
滑り止め防止上、用心して早々とアイゼンを付ける程度らしい。
今年のような例年にない降雪時は、慎重に計画すべきである。
又、時間には充分な余裕を持った計画が必要である。