44 2001.02.04 ★★ 金峰山(雪山トライ) 2,599M ★★
2001年2月4日(土)

雪の金峰山を目指す! 2001年2月4日(日)

行程:前日泊(車中)、朝7:00〜14:00迄
概要:廻り目平キャンプ場で前日車中泊とし、翌朝より金峰山登頂を目指し、廻り目平キャンプ場に戻るという日帰り雪山山行を計画。
実際:廻り目平キャンプ場入り口手前の川端下分岐で車止。
 それ以上の進入が困難となり、道路脇に車を駐車し車中泊。
 翌朝7時に山頂を目指すが、先行者によるルートは、精々1〜2人の踏み跡程度で、廻り目平キャンプ場迄も難儀し、
8時過ぎに漸くキャンプ場到着。
 廻り目平キャンプ場の避難小屋?で前日からテント泊していた中年男性の情報により簡易スキー板を手作りする。
 避難小屋の焚き火用木材(長さ×幅、1M×20CM)で。
 この手製スキー板を付けて、1本ストックで山頂を目指す。
 中の沢出合迄の林道は、1M近い積雪になっていた。

 途中からは全く踏み跡が無く、簡易スキー板でラッセルする。
 慣れないスキー板でラッセルし、相当難儀する。
 キャンプ場終点から林道に入り、林道総延長の約1/3地点の岩上り岩の前で大休止し、昼食予定のラーメンを作り食す。
 11時を過ぎてしまい、とてもこれから先の進行は無理と判断。
 残念であったが断念し、撤退を決定。帰路に就く。
 難儀してきた踏み跡は、下りで思いの外、急坂に感じられた。
 慣れ無い所為では有るが腰から下、足全体に酷い筋肉疲労・関節痛を感じながらの下りであった。
 漸く、車に着き疲れた身体に安堵が走る。

 帰路の高速は、予想に反し空いていて、難なく自宅に到着。

・詳細:
【参考】

無雪期状況:2000年11月26日(日)快晴
@廻り目平キャンプ場〜A中の沢出合:上り(53分程、結構急いで歩く)、下り(40分程度、比較的ユックリと)
今回の行程所要時間

@〜Aの中間点:岩上りの岩(気分的には1/3か?)
上り(3:30程、歩きは急いだが・・)、下り(1時間、急ぐ)
【実況】
@川端下までのアプローチ
川越から八王子ICまで、R16をひたすら南下する。
途中のコンビニで夜食と朝食・昼食のおにぎりやラーメンを仕入れる。
寝る前と頂上で飲むビールも忘れないように買い込む。
そんなロスを考慮しても、ほぼ1時間でICに着く。
八王子ICから須玉ICまでは、順調であった。
途中の双葉SAで給油と小休止。
須玉ICからは、R141を佐久方面に北上する。
清里を過ぎて、川上村への入り口を見逃さないように。
川上村へは、看板が国道沿いに出ているので、それを目印にする。
R141は、所々、雪が多い箇所があり、凍結注意の標識が目立つ。
夜の移動は、兎角気を遣う。肩が凝ってくる。
漸く、川上村への案内看板が有り、右折する。
R141より更に雪は多くなり、より慎重な運転を要求される。
川上村役場を通り過ぎ、秋山で金峰山の案内標識で右折する。
更に更に雪は深くなり、やがて進入できなくなった。
予定では、廻り目平キャンプ場までなんとか行けると思っていた。
可成り手前の川端下の分岐で行き止まりとなった。
慎重にUターンをして、バックで道路脇に駐車する。
本来の駐車場ではないが、来る車も無いと思い駐車。
蕎麦処「岩根庵」の店先に駐車。店は雪に埋まっている。
深夜の1時頃に到着し、明日は5時半に起床予定。
寝る前のビールと酒を頂き就寝。
寒さに備え、エンジンは点けた儘とする。

Aいよいよチャレンジ!先ずは廻り目平キャンプ場へ。
予定通り5時半に起床。朝ご飯を食べて準備する。
予定の7時に出発できるように急ぐ。
「誰も来ないな」と、思っていたら赤い八王子ナンバーの車が来る。
20代らしい男性二人が到着。身支度を始める。
さぁ、7時だ。いざ!出発!
踏み跡は有るが、1〜2人程度のもので、ルートにはなっていない。

歩きにくい。
やっとの思いで金峰山荘が見え、廻り目平キャンプ場に着く。
7:43 無雪期は精々20分ぐらいか?ユックリでも30分。
汗ビッショリになって、流れた汗が
眼鏡に付いていた。
拭こうとすると何と、凍っている。
上着のフリース・ジャケットも、胸が白くなっている。
吐く息が当たり、それが凍って白い霜のように付いていた。
温度計は、−15℃を示している。
金峰山荘の前の休憩所で休憩する。近くのトイレは閉鎖。
休憩所も閉鎖。その前のベンチだけが使える。
同じ棟に避難小屋が造られていた。中から中年男性が現れた。
「ホントは使っちゃいけないんだけど、寒さでテント毎入れちゃった」
昨夜は、−25℃でとても眠れなかったそうだ。
「昨日1日ラッセルしたけど、諦めて辞めたんだ」1時間で300M。
踏み跡が全く無い中、段々と深くなる雪。
腰まで埋まり諦めたらしい。
一人で来ていた男性は、私達に簡易スキー板を提案した。
自分もそうだったのだが、アイゼンだけではとても太刀打ちできない。
そう言って、避難小屋の中から焚き火用の薪にする板を持ってきた。
それをスキー板にして靴に付けた方が良いと言う。
後から到着した若い二人組も、忠告通り簡易スキー板を付ける。
とんだ準備不足から、歩き始めたのは8:50分を回っていた。
1時間以上も留まっていたことになる。

B取りあえず中の沢出合を目指そう!
キャンプ場の終わる、一般車両通行禁止の場所も、深い雪だった。
9:20過ぎ、無雪期には精々10分程度の処、30分は掛かっている。
小休止し、簡易スキー板の止めを直して、9:30頃出発。
慣れないラッセルの上に、手製のスキー板に難儀しながら前に進む。
30分後、又も小休止。スキー板の止め調整も行う。10分後再出発。
途中で、先行していた若い二人を追い越した。やはり悪戦苦闘している。
板は長さが1M程で、幅は20CM位。私達は、裏側が丸い板だった。
最初、板の中程にアイゼンを固定し、靴を履いていた。
途中からは、板の前方にしてみた。この方が楽だった。
若い二人の一人が、板を割ってしまったらしい、ルート上に板の破片が落ちていた。
一所懸命に板の止め調整をしていた。
二人を追い越してからは、踏み跡が無く自分達でラッセルする。キツイ!
変わり交代でラッセルすると、先行する者に可成りの負担が生じる。
後になると楽に進める。メンバーにも依るが交代すべきだろう。

 
C中の沢出合も無理!無念にも断念。
若い二人に追い着かれない儘に「岩上りの岩」に着いた。

此処は、無雪期約1時間の林道のほぼ中間点(気分的には1/3)。
現在時刻が、10:40。要した時間が約2時間。
これからも更に険しくなると予想すると、無念ではあるが、断念せざるを得ない。
陽当たりの良い場所で、大きな岩を背に大休止する。
持参したラーメンなどを作り、暖かい食事に幸せを感じる。
空は薄曇りであるが、風は無風に近く、時々冷たく吹くが上着を重ねれば何のことはない。
ビールも頂き、此処から先の道を話し、此処で撤退する事に決定。
1時間ほど休憩し、天候が良かったので楽しい山行となった事を喜んだ。
しかし、初めての本格雪山に身も心も打ちのめされる。
追い着いてきた若い二人も、隣で休憩し今日の苦行に花が咲いた。
聞けば金峰山小屋から「冬期閉鎖中の小屋も避難用に一部開放している」
又、ヤマケイFAXで「頂上は2Mの積雪」と教えてくれた。
二人は、ワカンを持ってくるか悩んだらしいが、悔やんでいるようだった。
大岩のクライミング用のルートを見て、登ってみようとチャレンジしていた。
写真用のトライで3M位登ったところでポーズし、下から撮っていた。
なるべく急登している様が撮れるように岩に近づき見上げて撮っていた。
「中の沢出合迄は、行きたい」と、言うので此処からは未だ相当有ると告げた。
一度、荷物を置いて出発し掛けたが、直ぐに戻ってきた。

簡易スキー板もやっぱり無いよりは、有った方が良いらしい。
暫くして又戻ってきた。お腹が空いたらしく食事にする様だ。
我々は、大休止を終え下山の準備をする。残念であるが、仕切り直しだ。
「此処で撤退します。気を付けて行ってきてください。」と声を掛ける。
「気を付けて!」と、元気に返事をくれた。 

D下りも難儀。足腰は結構きているぞ!
11:36 下山。下り初めてまず思ったのは、勾配のあること。
上りでは余り気付かなかったが、下り初めてその勾配に驚いた。
「気付かなかったけど、こんな上りじゃキツイ筈ね」。そのとおり。
若い二人が意味不明なラッセル跡をアチコチに残していた。
慣れない所為であろうが、下りも難儀である。
太股、膝、脹ら脛と筋肉痛や関節痛。オッと、腰も・・・。
「うっかり、無理に行ける処まで行っていると、危ないな」
「降りる時になって足腰ガタガタに気付いて、降りるのが大変や」
下りは、スキー板前方に靴を付けると踏み込み時、潜りやすい様だ。
12:20頃、林道始点。キャンプ場終点に到着。小休止。
12:40頃、キャンプ場の避難小屋に着き、「とても助かりました」と感謝の気持ちで、板を返却する。
小休止後、車までの道程を急ぐ。
13:30頃、無事に到着。とにかく、身軽にしリラックスする。 

E課題の残る有意義な雪山山行。
輪カンジキ&ストックの携行(スノーシューも有効?)
入山者の少ないルートは、積雪状態により必要になる。
今回、金峰山:廻り目平ルートは、前日の入山者1人と当日の2人。
我々の併せて5名。あまりに少ないのではないか。
せめて下山ルートにでもなって踏み跡がしっかりしていてくれれば・・・。
頂上直下の金峰山小屋が冬期閉鎖時も一部開放している事から、荷物は増えるが、1泊2日での計画が望ましい。
尚、今回天気は良かったが、悪天候時は無理である。即中止すべし。
一人ではラッセルも限界有り。1時間300M。1日の活動範囲は狭い。
入山者数やルート状態が如何に大事か、影響が大きいかを実感できた。
ストックの潜り止めは、雪山・スキー用の幅広い物を使用すること。
夏用の小さい物やピッケルは、殆ど役に立たなかった。無いのは論外。
雪は表面が堅そうでも、靴の儘だと直ぐに潜ってしまう。

12本アイゼンを装着しても、潜り方は同じ。
堅い表面下の中の雪は、サラサラ雪だった。
此は、厳冬期、気温が低く、降雪から日が浅かったためと推察する。
踏み固めようとしても、サラサラで底なし沼のように落ち着かない。
金峰山は、例年なら頂上の雪は、風に吹き飛ばされて殆ど無い状態。
廻り目平も、精々10CM程度の積雪で、車も充分に進入出来るらしい。
キャンプ場終点の処から、中の沢出合迄の林道も、積雪は少ないらしい。
滑り止め防止上、用心して早々とアイゼンを付ける程度らしい。
今年のような例年にない降雪時は、慎重に計画すべきである。
又、時間には充分な余裕を持った計画が必要である。